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クリエイター名:吉川綾
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B242suzuri
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C248suzuri
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作品ID:C248
クリエイター名:
suzuri
Title / サターンを喰らう
世界の腸(はらわた)を引きずり出すべく
厭世の言でナイフを研いだ
空から吹き出す血液の美しさが
酷く憎かった
今でも思い出してしまうんだ
黒板に書かれた白い文字を
書き写す白いノートの文字は
真っ黒だった
日晒しのこの身 果実と同じく
腐るだけ 腐るだけ
その前にと 口を開いたのが
僕なら良かったのに
怪物な青春が
僕らの頭を喰いちぎった
どうか まだ濡れた胸の奥の奥まで
頬をつけないで
漂着した臓物は どうやら
便宜とも呼べる残渣だ
怪物よ 鉛色の右手はどこに捨てた
早く吐き出せよ なぁ
人から盗んで生きていけんなら
金と才能が欲しかったが
利口な温度で 夙昔(しゅくせき)
育て上げてきたつもりの 人生ってやつが
-どうして- 殻を割って出てきた
-どうして- その姿に僕は
-どうして- 目も合わせずに立ち去った
-どうして- ふざけんなよ
醜悪な怪物が
僕らの人生と知ってしまった
どうか 爛れて窪んだ奥の双眸で
こっち見ないで
凝着した絶望が 馘(かく)せば
肝脳地に塗るのだ
残骸を踏み潰して弾けた
夕の赤に 目が眩んだんだ
あぁそうか そうだったんだ
疾に行き場など 失っていた
青臭い棺に 縋り付けば
道端に伏した体だ
死神な青春が
僕らの四肢を刈り取って
笑ってるんだよ
蹴り飛ばされて 汚れた頬を伝えば
口を開いた