作品ID:A299
クリエイター名:
えとろぷちゃん
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作品ID
クリエイター名
E177
daiti 文丸
ストーリー
E176
My own Factory
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作品ID
クリエイター名
D292
かな
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作品ID
クリエイター名
B177
Micsnow
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C185
Micsnow
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クリエイター名
C185
Micsnow
歌詞
B177
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作品ID:
B177
クリエイター名:
Micsnow
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作品ID:
C185
クリエイター名:
Micsnow
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年中 脳裏に浮かぶ 背景はノイズ しがみつき歩こう(alcohol) 熱中 禁断のレモンジュース 狂わす毒 今だけの夢を フラつく 意識を 溺れないように 紡いだ 弾けた 泡みたく 嫌気を 忘れた 覚めたくないや 想定外キャパシティオーバー 一人で踊り明かす今夜 考えたくないあーだこーだ 幸か不幸か それなら等身大謳歌 そうぼやいた
作品ID:
D292
クリエイター名:
かな
再生
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作品ID:
E177
クリエイター名:
daiti 文丸
なし
今日も三円取られた。毎日三円取られている。 サンゴ―缶を二本、小洒落た煙草を一箱。 惰性の贅沢を家に運ぶだけの三円。 「バカバカしい」 でもマイバッグを持ち歩くのはもっとバカバカしい。 湿度の高い夜。肌にまとわりつく湿気。髪の毛が絡まる。 せっかく巻いたのに意味ないじゃん。 やっぱり私はゴワゴワだ。 私だけを運ぶ昇降機。アンタもレジ袋と同じじゃない。 「三円取らないから優しいね」 静かな廊下に一定のリズムが響き渡る。 自分の心音がバレるみたいで恥ずかしい。 良かった。鍵ちゃんと締めて出たんだ。 「ただいま」 返事はない。ただ言っただけだから。 くたびれたヒールを脱ぎ散らかす。 照明よりも、着替えよりも、とりあえず一本冷やす。 酒を冷蔵庫に入れるだけなのに乱暴になる。 「鍵、締めなきゃ」 玄関で寝そべる靴たち。私みたいでムカつく。 「うざっ」 まだらに散った靴を綺麗に整列させる。 普段は絶対に揃えたりしない。 「シャキッとしなよ! 誰のせいでこうなったのよ」 私のせいだ。一組のヒールが私を見上げてる。 なぜか泣きそうになってる。ごめんね。 「お疲れ様」 私らしくないね。いつも通りにいつもの私に戻ろう。 上着は椅子の背もたれにかける。 シャツはソファの上に脱ぎ捨てる。 靴下に定位置はない、いつもそこらへん。 あ、そうだ。煙草。 剥がしたフィルムが静電気で指にまとわりつく。 「あっ」 吸いかけの箱残ってんじゃん。 葉の密度が薄くなった一本を取り出し火をつける。 「ふぅ」 恍惚感。 三円の袋からアルミの一本を取り出す。 『ぷしゅっ』 「うわ最悪。振ったの誰」 誰でもない。元気のいい泡が飛び出して甘えてくる。 「手ぇべったべた」 とりあえず一口飲む。なんか可笑しい。 灰皿から溢れそうな吸い殻さえ愛おしく思える。 いつもの煙とスピリッツで、いつもの私を取り戻す。 視界が鮮明になる。 最近増えたよね、ストロング系の酒。 どれもこれも強くしたり本格的にしたり。 檸檬味はいつの時代も昔から人気な気がする。 知らないけど。 身体に柑橘を浸透させ、煙で燻す。 この時間が幸せなの。 氷欲しい。 よいしょ、おぉおっとっと! フラついていない、バランスを崩しただけ。 グラスの中の氷に酒を浴びさせる。 驚いた粒は水面で飛び跳ね、 グラスの縁の外へ逃げ出そうとする。 これから何する? EDMかけて飛び跳ねる? 爪でも塗る? ドラマチックな映画はなし。 一人で過ごす長い夜、嫌なことを忘れる、 この時間だけが…… 「幸せなの」
作品ID:
E176
クリエイター名:
My own Factory
なし
夜の孤独のお供には、刺激の強いドリンクが最適だ。 そんなポエティックな表現が浮かぶほど、自分はロマンチストだっただろうか。 寝起きの頭を覚ますべく、煙草に火をつけた。 ふぅと吐き出した息が、窓辺越しに闇夜へ消える。 組んだ股座は、キシリと痛んだ。はて昨夜はそんなに盛り上がったかと、記憶の糸を辿ってみる。 激しい音楽が鳴り響くクラブで、ちょっと話が合っただけの男。 もちろん酔っていたものだから、顔なんて全く覚えていない。 刻まれているのは薄い膜越しでも感じる拍動、滴る白濁。 喘ぎ声を塞ぐ、生ぬるい体温。 お堅い友人や家族は、馬鹿な女だと笑うだろうか。 なんて醜い、嫉妬。 妄想の人間にそう言い切って、脇に置いていた缶チューハイを持ち上げた。 アルコール分9%といった、界隈じゃおもちゃみたいなそれを傾ける。 途端喉に流れ込む炭酸、淡い刺激。 少し背中がひりついて、足の先までとろけそうになる。脳髄をかき回され、目の前の景色が輝く。 一晩だけの逢瀬に、似ている。 始まりこそ、どこか寂しいという幼稚な理由だった。 ブリーチを繰り返したヘアカラー、耳にいくつもあけたピアス。 全て、煌びやかな都会に溶け込みたかった、幼い私があがいた証拠。 そのうち、背伸びを支えていたハイヒールに痛みを感じなくなった。潤んだ上目遣いと、頬に朱を差すことが得意になった。 ──溶けてなんて、たまるか。 咲き誇る花のように美しい、女の輝き。 その蜜に誘われる男の顔を、一人でも多く見ることこそが喜びだと、大人になった私は気づいたのだ。 ふと、視界に眩しい光線が射しこまれる。 高層マンションの外、高速道路を走るヘッドライトだろう。 ぼうっと揺蕩っていた視線がずれ、窓へ向く。 ──そして、見つめる。 痛んで膨らんだ髪と、削げた頬。 べったりと張り付く隈は、怠惰な夜をいくつも越えた代償。 ラインストーンはとっくに取れて、ベビー・ピンクがまだらに残る爪。 消費される若い女、とは一体誰の言葉だったか。 明かりが過ぎ去るたびに映し出されるそれは、あまりにも残酷で。 目の前の女が、震える手で缶を掴む。 覚めたくない。 一滴残らず飲み干せば、ほら。 きらきらの光を纏った、みずみずしい女が、艶やかに微笑んでいる。 女を謳歌して、何が悪い。 脳裏で反響する声は、いつも自分の味方だ。 だから。 いつまで夢を見ているの、と。 酩酊のシャットダウン、その間際に浮かんだ少女の顔は、見ないふりをした。