水が沸騰するまでの間 ちっともページ進まない君は 守れない約束を　背中越しに結ぶ 最後の一滴落ちるまでの間 ちっともページ進まない君は 途切れない程度の温度でごまかす 使い過ぎたカップの取っ手にはヒビ 持つのは少し怖いな あとで、あとで　なんて言って ２本の湯気　ふわりのぼる 冷めても知らないからね コーヒーの話 砂糖あるだけ入れるまでの間 ちっともページ進まない君に 知らないその先を　背中越しに投げる スプーンでザラつきを感じなくなるまでの間 ちっともページ進まない君は あとで、あとで　なんて言って 毛羽立ってるしおり挟む 少しぬるい方がいいんだ、って コーヒーの話？ 変な時間に起きて　朝日みたいに夕日を見ながら 冷めきったコーヒーを飲む君のことを　結局 窓辺から郵便受けまで　２人の影　長く伸びている 冷めても好きなんだね こっちの話