作品ID:A053
クリエイター名:
おすし
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作品ID
クリエイター名
E327
長谷川 月海
ストーリー
E318
春夏冬 秋太郎
ストーリー
E281
木戸 要平
ストーリー
E051
不透明ふうりん
ストーリー
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作品ID
クリエイター名
D065
おすし
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D064
おすし
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作品ID
クリエイター名
B308
初烏
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C310
初烏
歌詞
B163
Miura Ria
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C171
Miura Ria
歌詞
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C310
初烏
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B308
初烏
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Miura Ria
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作品ID:
B308
クリエイター名:
初烏
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作品ID:
B163
クリエイター名:
Miura Ria
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作品ID:
C310
クリエイター名:
初烏
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< A > ねえ、ブルーシートも懐かしい 新しい季節さえもどかしい ビニールと缶ジュース 肌寒い ねえ、また笑うでしょ 誰にも見せない深さまで 見せてまた逃げて蓋してる < B > 20時過ぎの街頭が照らす才能 言葉を手のひらに期待と たまらず隠さず輝くこの花弁(はなびら)も 散るんじゃなくて咲く瞬間が美しいはずなんだ 見ててよ < C > 会いたかった。そうでもなかった。 迷うほどに焦がれた 「私なんて」なんてそういうのやめた グズグズしているの 正面突破で不安感 かき消せるとか全然なかった 永遠と刹那の境界線で Bye Bye
作品ID:
C171
クリエイター名:
Miura Ria
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いつの日だろ 考えてた 懐かしいな 切ないな 言葉にはできず なんとも言えないよ ああもどかしいな 数年経って 色褪せない なぜだろう あー不思議だ それはなぜ 知りたいよ ラーラララララー ああ教えて ふと気になる あの日見たね 桜吹雪 息を呑むような美しさ いくつ歳をとっても 心奪われて ああ春が来た
作品ID:
D065
クリエイター名:
おすし
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作品ID:
D064
クリエイター名:
おすし
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作品ID:
E327
クリエイター名:
長谷川 月海
無し
「桜ってさ、怖いよね。」 友達には「え、どういうこと?」と笑われた。当たり前だ。 2年前の夜。 二十歳の私は、当時読んでいた本にすっかり影響され、めくるめくお酒の世界に足を踏み入れた。 行くお店は決めていた。毎日前を通るけど入ったことがない、緑でいっぱいの不思議なお店。 気になってインスタで検索したら、見たこともない素敵なお酒の写真がたくさん出てきた。 その中でも特に目を奪われた、淡いピンク色の、今にも崩れそうなグラデーションがとても綺麗なお酒。名前も分からないそのお酒を飲む自分を想像し、既に酔っていた。 そんなこんなで1人ソワソワと入店し、余りの種類の多さに呆然としていた私に、 「よかったらどんなのが飲みたいか言ってもらえれば、紹介しますよ。」と店員さんは優しく声をかけてくれた。 「ワイングラスに入ってる、綺麗なピンク色のお酒が飲みたいんです!」 と、待っていたかのように告げた私。 突然の明確なリクエストに驚きつつも、ふふっと笑って 「かしこまりました。」と答えた店員さん。 持ってきてくれたのは、まさにインスタで見たあのお酒だった。 グラスに入れずに手渡してくれたマドラーをそっと挿し込む。 それだけでグラデーションが崩れるような、繊細で美しいカクテルだった。 「このカクテルは、「桜の森の満開の下」という小説をお酒で表現したものです。 青空文庫にあるので良かったら読んでみてください。怖くて美しいですよ。」 あの時、店員さんはそう言っていた。多分。 とっても美味しかったけど、だいぶ強かったみたい。飲み慣れてない私は詭弁踊りさながらの足取りで帰宅した。 翌日、早速その小説を読んだ私は二日酔いよりもひどい衝撃を受けた。 今までの人生の中で、桜といえば入学、卒業、お花見、そんなイメージだけで生きてきた私にとって、固定概念を180度覆すような恐ろしさ。 それなのに、脳裏に浮かぶのは狂おしい程に美しく咲き誇る満開の桜。 怖くて美しい、と言ったあの店員さんの言葉の意味も、あのお酒の美しさも度数の高さの意味も、合点がいった。 それ以来、満開に咲き誇る桜を見ると美しさと同時に、魅惑的というか、言葉にできない恐怖も感じるようになった。 これから先も、何年経っても桜を見るたびに思い出すと思う。 私もいつか桜のように鮮烈に、恐ろしい程に人の心を魅了するような人間になってやる。 なんて大それた決意を胸に秘めて、1人桜に酔う春の夜。
作品ID:
E318
クリエイター名:
春夏冬 秋太郎
無し
蜘蛛がいた。足の長い、大きな蜘蛛だ。私が登っているジャングルジムの、手を掛けた区画のその隅に、巣を作って鎮座していた。巣は結構なもので、ジャングルジムの棒で囲まれた四角形の三分の一を占めており、蜘蛛の手腕の高さを伺い知れた。その当の蜘蛛は、巣作りが済んですることも無いのか、獲物が掛かるのをじっと待っていた。 私は子供だったものだから、虫など大した忌避感も無く、アリの運んでる獲物を見つけては横取りするような馬鹿餓鬼であったが、その私をしても、蜘蛛のあまりの巨体ぶりには恐怖し、本能的な嫌悪感を抱かざる負えなかった。一時の間を置いて、ギャ、と私は叫ぶと、掴んでいた手を咄嗟に離した。 身を引く勢いが私のバランスを崩した。慌ててる内に足まで滑らせ、あっという間に残りの手足も剥がれた。体はジャングルジムを離れ、浮遊感が体を包み、背中に緊張が走る中、揺れる蜘蛛の巣が、私の目に映った。 蜘蛛は、もうそこにはいなかった。 九歳の頃の出来事である。以来私は二十年間、ジャングルジムに近づいていない。 数年ぶりに帰省して、その事をふと思い出した。コンビニで立ち読みした帰りに窓ガラスに貼られた蜘蛛の巣を見て、ああそういえばといった具合だ。もう深夜で、一人歩くのも不用心だが、しかしそれも今更である。ノスタルジーが私を駆り立て、足は自然と公園へと向かった。 果たして、公園には誰もいなかった。遊ぶ子供も、見守る大人も、誰もいなかった。 当然である。 あの巨大な蜘蛛も、もういない。当然、とっくに土の下だろう。 蜘蛛の巣も無い。あの巨大な蜘蛛が作って見せた立派な巣は、今や影も形も無い。 当然。 当然だ。 その巣が掛かっていたジャングルジムすら、もう無いのだから。 ブランコも、シーソーも、鉄棒も——公園は、その大きな敷地だけを残して、遊具の殆どを失っていた。 ——老朽化か。 はたまた子供の安全を考慮してか。 撤去された理由はわからない。ただ、もう誰も、ここの遊具で怪我をする事は無いだろう。 ジャングルジムに挑み、蜘蛛に敗れた馬鹿な子供も、もう現れないだろう。 後に残ったのは、春にばかり良い恰好をする桜と、その前に置かれたベンチだけである。 私はベンチに腰掛け、立ち読み代に買った缶ジュースを空けると、一口飲んだ。 遊具を失い、子を失い、蜘蛛を失った公園の成れの果ての果ては、しかし案外、こうして大人が休むには、居心地が良かった。
作品ID:
E281
クリエイター名:
木戸 要平
無し
咲き時を誤った桜。 最終便を見送ったバス停で、 冷たいベンチはただ春を待つ。 咲き場所を誤った桜。 工事現場のイルミネーション。 スカートの丈くらいの天の川。 彼を待っていた。彼と言っても恋人ではない。かと言って友人でもない。ましてや夫なんてもんじゃない。ただ、一線は越えている。 私は女子大生。彼は大学教授のおじさま、当たり前の様に妻子持ち。そんな彼がやって来た。 「花見客も僕等だけか」 「無理もないでしょ。この時期で、この場所ですから」 「俺から学んだんだな。なかなか良い出来だったよ。君も分かってきた」 「始めから盗むつもりだったんですか?」 「盗むなんて人聞きが悪いじゃないか。俺は幽霊を脚光の下へと連れ出してやったまでだ」 彼は私の机から原稿を持ち出し、彼の名前で文学賞へ応募した。そして見事に大賞を受賞。彼はまた名誉を手に入れた。 私はどこまで行ってもゴーストライター。 「俺が教えた通りに書けたな。瑞々しく、それでいてリアルで生々しい世界観だ」 「そりゃ生々しい実話をもとに書いたので、そうもなるでしょう」 「冗談はよしてくれよ。君は学生だよ? 不倫に走る人妻の物語が実体験な訳ないだろ?」 「私の体験じゃない。あなたの妻の実話です。鏡台に置かれた日記に気づき、それをネタにしました」 「何言ってんだ? そんな訳……。」 「時期にあなたの妻は私を訴えるそうです。そうなれば私がゴーストライターであることも世間へ明るみになるでしょう」 「どうかしてるぞ。君はなんてことしてくれたんだ? 俺の人生を」 小さな夜に閉じ込められて、 舞い落ちる桜のスノードーム。 夜を泳ぐ私は夢遊病。 深海に沈む心は無痛症。 何も知らなかったあの頃へ。 記憶の鍵盤を駆けてゆく。 「それともうひとつ。あなたと私の関係、奥さん気づいてますよ」 ゴーストライターは人の人生を盗作した。 咲き時と、咲き場所を誤った才能は永遠に散りゆく。 「いったい、君は、何がしたかったんだ?」 ざらついたブルーシートと、生温い缶ジュース。春が冷たかった。 「嫌がらせ……。」
作品ID:
E051
クリエイター名:
不透明ふうりん
なし
「桜、満開になったんだ」 散歩がてらに近くのコンビニへと買い物に行った私は、通りすがった公園の桜が満開になっているのに誘われてしまった。 何も考えず日々過ごしていたら、いつの間にかまた桜が咲く季節になんて平和で私らしいや。 ……私って一体何をする為に生まれてきたんだろう。 春の陽気はまだ夜まで残らない。 少し冷たい夜風が枝垂れた桜の枝を撫でて揺らし、何枚かの花びらが風に乗ってふわりと舞い落ちて私を笑っている。 この前、ふと気になって「アンニュイ」の意味を調べたことがあったけど、多分今の気分のことを指すんだと思う。 さっき、コンビニで買ってきたコーラを一口飲み込む。炭酸が喉を刺激してくると同時に大量の砂糖を含んでいるであろう罪悪感の味が口いっぱいに広がる。 よし、決めた。 じゃあ私は毎年春になったらここに来てまたこうやって同じように、花見をするために生きよう。 その想いに答えたのかは分からないが、目の前の桜はさっきよりも沢山花びらを舞い落としている気がする。 もう一口コーラを口に含む。やっぱり甘ったるい味がして、私はなぜか安心するのだった。